FXでナンピンは最強手法?それとも危ない?どうなの?
神にも悪魔にもなる禁断の手法「ナンピン」
そもそも「ナンピン」とは?
さて今回は「ナンピン」について書いてみます。
多分皆さんは、この記事にたどり着いた時点で、ナンピンがどういうものか分かっていると思うのですが、とりあえずFX初心者の方に向けて軽く説明しますね。
株でもFXでも「ナンピン」とは、最初のエントリーポイントから価格が逆行し、含み損が出ている場合に、追加のポジションを取ることで平均取引価格を下げ、最終的には利益を得ることを目指すという戦略です。
例えば、ドル/円通貨ペアで1ドル=100円として、まず最初のエントリーポイントで100円で買いポジションを持ったとしましょう。
しかし、価格が逆行して1ドル=98円になり含み損となってしまいました。
ナンピンの戦略ではここで買い増しを行います。
さらに逆行し1ドル=93円になったところでさらに買います。
このようにして、
これがナンピンの考え方ですね。
この例でいくと1ドル=97円以上まで戻れば利益になります。
こんな感じですね。
今回はこの「ナンピン」について、その有効性や危険性、上手な使い方などについての概要を解説してみたいと思います。
ナンピンは危険だが使い方次第で最強武器に!
まず最初に言っておきたいのは、僕自身はナンピンを否定しません。
実際の相場でもナンピンします。
でも書籍などではよく「ナンピンは厳禁!」「ナンピンは危険」とか書いてあったりしますよね。
いや確かに危ないのは危ないんです。
なんといっても、逆行している状態でポジションを積み増していくわけですから。
でもFXの相場というのは、長い目で見ると、割と行ったり来たりを繰り返すことが多くて、そういう状況下では、ナンピンは有効なことが多いんです
ナンピンの危険性
ナンピンは確かに有効な手段です。
本来であれば負けていたであろうトレードを何とかチャラにしたり、場合によってはうまい具合に利益になることもあります。
この
「利益になることもある」
というのがくせ者。
いつのまにか「ナンピンしておけばまぁ戻ってくるだろう」の心理になってしまうんです。
つまりナンピンするのが当たり前の状態です。
これはまずい・・・。非常にまずいです。
ノリが軽すぎます。
ナンピンとはドラクエで言えば「メガンテ」なのです。自らの命と引き換えに敵に大ダメージを与える禁断の呪文ですね。知らない方はすいません。
それをですよ
「エントリーしましたー、あら?逆行しましたー、はいナンピンしまーす」
くらいの軽いノリで使うとは!
これは危険すぎます!
いやそもそもっすね、ナンピンしているということは、当初のエントリーから逆行しているわけで、それはつまりエントリーポイント自体がよくないわけなんですよ。
まずはそこを改善する努力はしないといけません。
また、一度でもナンピンが上手くいくと、その成功体験から、損切の心理的ハードルが格段に上がります。
本来ならば絶対に損切しなければいけないラインを超えても、「いつか戻るはず」と思ってしまい損切できなくなるんです。
ナンピン&ナンピン。
さらにナンピンアーンドナンピン!
そしてついに耐えきれなくなって莫大な損失。
やめろー!昔の俺のことじゃないかー!
はい・・・。
これがお決まりのパターンです。
禁断の呪文とは恐ろしいものです・・・。
ガクガクブルブル・・・。
ナンピンの有効な活用方法
このように、危険もある「ナンピン」なのですが、有効な手段であることもまた事実です。
であればこの禁断の手口、ここぞという場面で上手に活用したいもの。
ではどうするか。
それは
のです。
何をどう決めておくか。じっくり解説してみますね。
エントリー前に決めておくことその1
・これからやるトレードでそもそもナンピンをするかどうか
上図のように、事前に想定したロスカットラインが、エントリーポイントとそれほど離れていない場合は、そもそもナンピンなんかしないで、もうそのラインで損切してしまった方がいいです。
それほど大きな損切にはなりませんし、その後のことはまたじっくり戦略を練ることもできます。
エントリー前に決めておくことその2
・最大ロット数、ナンピン箇所
今からやるトレードでは、最大どのくらいのポジションを持つのかをまず決めておかねばなりません。
あたりまえすぎてビックリするでしょう?笑
でもほんとに延々とナンピンしてはいけませんよ。
できれば、その最大ロット数で損切になった時、損失がいくらになるかも確認しておいてください。
各自が許容できる損失額と照らし合わせて決めていきましょう。
どのくらいのロットにすればいいかわからない方は、以下の記事を参考にしてみてください。
最低でもこれらのことを事前に決めたうえでエントリーします。
1.「打診」:まず、最大ロットのうちの1/3でエントリー
2.「本命」:本来入りたかったところで、1/3を使ってナンピン
3.「最後の砦」:損切ラインの少し手前で最後の1/3を使ってナンピン
といった具合です。
「売り」で入る場合を例にすると以下のような感じですね。
じつのところ、これは「ナンピン」というより「分割エントリー」的な考え方ですね。
呼び方は何でもいいんですが、ナンピンの危険性をなるべく排除する方法としてはなかなか有効です。
まとめ
無計画なナンピンはとても危険です。
トレンドに逆らって逆張りでナンピンする場合、含み損を耐えながらそのトレンドが転換するのをひたすら待たなければいけません。
それだけですごいストレスです。
僕自身、長ーーーーーーーーーーーーい含み損にさらされ続けて仕事も手につかない・・。
そんなヤバい状態を何度も経験しています。
最終的になんとかかんとか「チャラ逃げ」や「利確」にこぎつけたとしても、マジでどっと疲れます・・・。
みなさんにはそういう経験はなるべくして欲しくないです。
そんなにストレスを抱えるくらいなら、さっさと損切した方がよっぽどいいです。
そのためにも、ナンピンするなら事前に必要なことを決めておきましょう。
・ナンピンするのかしないのか
・するとしたらどこで、どのくらいするのか
・どこで潔く負けを認めるのか
事前に決めてからエントリーするのは確かにめんどくさいです。
僕も毎回めんどくささを感じながらやってます。
でも何も考えずに、
「はいナンピンナンピンー!もっとナンピーン!どすこいナンピーン!」
みたいなことをやっている人は、いつかどこかの段階で淘汰されていくのではないかなーと思います。
みんながやらないからこそその「めんどくささ」に価値があるのです。
僕と一緒にめんどくささを乗り越えていきましょう!