FXで効果的な過去検証をやるための心構え的なものについて
FXで勝ち続けるためには、戦略を考えねばいけませんね。
いわゆる「手法」というやつです。
そして、その手法が有効かどうか確認するために欠かせないのが「過去検証」です。
「当たり前だろ!」
「検証ソフトを使って過去10年とか20年分のデータでガッツリ検証してるよ!」
そういう方は多いかもしれません。
いやそれだけのデータを使って検証する努力はすごい。マジで尊敬ものです。
でもきちんと効果的なやり方で検証できていますでしょうか。
過去検証は時間も労力もかかります。
せっかくそれだけのコストをかけてやるんだったら、より効果的な方法でやりましょう。
この記事では、FXトレーダーの方に向けて、より効果的な過去検証の考え方、心構えを解説します。過去検証を通じて、トレード戦略を洗練させ、より成功に近づくためのスキルをいっしょに身につけましょう。
レッツ検証!
過去検証に意味ある?やるときに気をつけるべきこと
結論から言うと、過去検証は確かにやる意味があります。
ただし、「正しい目的意識で行えば」の条件付きです。
目的をはっきりさせずに無駄にトレード手法の探求(っぽいもの)に明け暮れるというのは、僕を含め多くの方がやりがちな失敗です。
今思えばホント時間のムダでした…。
皆さんは僕みたいに貴重な時間を無駄にすることなく、効果的に過去検証をしてください。
ここでは、そもそも過去検証を行う目的について考えてみましょう。
何のために検証するのか、を意識する
過去検証は、その目的をはっきりさせることが重要です。
まずは当たり前ですが
特定の条件でエントリーしたときに、どの程度収益性があるのか。
ということの確認です。検証の目的はほぼこれと言ってもいいでしょう。
特定の条件というのは
・移動平均線がクロスしたら
・MACDがクロスしたら
・RSIが30を割ったら
みたいな感じです。
そしてもちろん損切りポイントも決めておきます。
・●●pips逆行したら
・直近の安値を割ったら
とかですね。
このあたりの条件は最初はシンプルなもので全然いいと思います。
最初からこねくり回した条件を設定してもしょうがないし、あんま意味ないですからね。
検証でしかできないことをやってみる
先ほど書いた一般的な検証とは別に、ぜひ変わった検証もやってみましょうよ。
例えば
事前に決めていた損切ポイントできちんと損切した場合と、損切せずにひたすらナンピンし続けたらどうなるかを比較してみる。
などがあります。
検証ソフトでローソク足を行ったり来たりさせながら、同じ局面で「損切りした場合」、「ナンピンし続けた場合」など、対応の違いでその後がどうなるかを検証してみましょう。
リアルなトレードだと絶対やらない、やれないような遊び感覚で、
「ウヒョー!ナンピンし過ぎで資金なくなったよー!」
みたいなムチャクチャなことは、検証だからこそできることです。しかもそれはそれでバカ全開で、なかなか楽しいです。
ナンピンし続ける方が意外と利益が出るような感じがして、
「なんだ、逆行してもナンピンしときゃいいじゃん!」
と思った矢先、そのナンピンを吹っ飛ばすような強烈なトレンドが発生して、
「あぁ・・・・・、これ・・・リアルトレードだったら破産してるなぁ・・・」
などと遠くを見つめながら悦に入るのもなかなかおつなものです。
こうやってナンピンの怖さをじんわりと体に染み込ませるのは、実はとても有効です。
遊び感覚でもいいので、目的を持つことで、過去検証が面白い作業になります。
手法探しにはまならないようにする
これはあるあるです。
過去検証をやりながら新たなトレード手法を探し求めることに没頭してしまうんですよね。
例えば移動平均線を元にしてエントリーするという手法を検証するとします。
で、実際にその手法でエントリーをしてみた結果、負けてしまいました。
そこで、「じゃあ移動平均線だけじゃなくて、MACDも加えてみよう」などと考えて、もう一度同じ場面でのエントリーを試すんです。
そしてその結果勝てたと。
「あ、MACDを加えたこっちの手法の方がいいじゃん!」
てな具合で、次のポイントでまたエントリーします。
しかしまた負けてしまいました…。そしたらまた別のインジケーターを試してみる…。で、
「やった!勝てた!このインジケーターを加えてっと・・・」
わかりますよね?…もうこれは完全時間のムダです。
なぜならばこれは
個々のエントリーポイントに手法を合わせにいってるだけ
だからです。
しかもそれに加え、各インジケーターのパラメーターをちまちまいじったりなんかしたらもう地獄です。終わりがありません。そもそも、
どんな場面でも有効な最適なパラメーターなんかありません。
あるんだったらとっくに広まってます。
そして広まった瞬間にそのパラメーターは有効じゃなくなります。
それぞれのエントリーポイントに合うように手法やらパラメーターを調整するのは本末転倒でっせ。
過去検証の本来の目的は、決まったトレード手法や戦略の優位性や、普段だったらできないようなことをやったらどうなるか、を確認することです。
やってはいけない過去検証
さてさて。ここでは、実際に僕がやっていた「ダメな過去検証の記録」を恥ずかしげもなく紹介し、その問題点について考えてみましょう。
1.ノートに漠然とエントリーした価格と結果だけを書いていく
検証結果をノートに記録していたのですが、その際エントリーした価格や結果だけを記録していました。なので後からそのノートを見返したとき、ただ単に数字がならんでいるだけで、そもそもどのような戦略に基づいていたのかがまったくわかりませんでした。
何を試してたんだっけ?オレ
2.やったらやりっぱなし
試した結果、何が良くて何が悪かったのかを記録しておかないと、後で見返したときに、その時のことをきれいさっぱり忘れてしまいます。そうなってしまっては検証をしていないも同然です。さらっとでもいいので、内容や感想は書くようにしましょう。
少なくとも後で見返したとき、何をしたのかわかるようなものでなくてはいけません。
数字だけ書いてあっても何を検証したかまったく覚えてないッス・・・
3.コロコロ手法を変えている
これは先ほども書きましたが重要なのでもう一度書いておきますね。
その時の相場に合わせて手法や戦略をちょこちょこ変えるっていうのは、検証においてはホントに意味がないです。検証といえども負けたくない、勝ちたい、自分の考えが正しいということを証明したい。そういう気持ちは分かりますが、そもそもそれは検証とは言えませんよね。
ただの後出しじゃんけんです。
あるやり方がうまくいった場合でもそうでなくても、ある程度継続して確かめてみないことには、その効果はよくわかりません。
4.検証トレードしたときの具体的なチャートを残していない
いやこれは1にも通じる話なのですが、やっぱり価格とか数字だけを記録しても、後で見返したときによくわからんのですよ実際。
そのときのチャートがあれば、前後の文脈というか、あぁこの時はこういう相場だったなーというのが思い出しやすくなるんです。
なんだかんだチャートは偉大です。
5.ちょこちょこパラメーターをいじる
これまた3に通じる話ですね。
インジケータのパラメーターってあるじゃないですか?
これをついついその時相場に合わせて変えたくなるんですよね。
だからそれ意味ないっての!
過去の相場に合わせてパラメータを最適化しようとしても未来の相場には何の意味もないです。
ないんです!ほんとに!信じてください!!
検証のやり方を変えてみた
このように今見ても恥ずかしくなるような過去検証をやりつつ、実際のトレードも行っていたのですが、一向に結果は出ず・・・。
検証とかあんまり意味ないのかなーと思い始めていたころ、ふとあることに気づきました。
それは、「自分がトレードをする時間帯」です。
実際に自分がトレードするであろう時間で検証する
僕もそうなんですが、昼間仕事をしている人は、トレードをするのは必然的に夜になりますよね。
僕の場合、具体的には大体夜20時くらいからチャートを見始めて、遅くても深夜1時くらいまでにはトレードを終了しなければいけません。
次の日も仕事ですからね。
そしてそれは、仕事を続けている限り変わりません。
だったら検証もその時間帯で行った方がいいのではないか?
これは我ながらなかなかいい気づきでした。
1日のうちで、トレードする時間よりも、しない時間の方が明らかに長いわけです。
にもかかわらず、絶対に自分がトレードしないような早朝の時間帯なども過去検証の対象に含めてしまうと、結果にブレが生じるのではないかと考えました。
そこで、ランダムにある年やある月をピックアップして、その中の自分がトレードする時間帯だけで検証することにしました。
まさに「量より質」作戦です。
漫然と過去10年とか検証するよりもこっちの方が絶対いいはず!
なぜかその時はそういった根拠のない確信が生まれていました。
そしてそのあたりから、インジケーターやパラメーターを変えることもしなくなりました。
また、「後から見返した時用に、チャートも残しておきたいなー」と思い、何かいい方法ないかなーなどと試行錯誤が始まりました。
そうやって前章で書いたようなダメダメ検証がちょっとずつ改善されていったわけです。
なんとなく結果がついてきた?
すぐに、というわけではないですが、改善した過去検証をやっているうちに、リアルトレードの方でも段々と結果がついてきました。
勝てるようになったというより、何と言うんでしょう、「しょうもない負けが減ってきた」という感じです。
過去検証でいろんな手法を試してみて、
「まぁこれだったら大勝ちはないかもしれないけど、少なくとも大負けもないかなー」
という感じのゆるーい手法でリアルトレードもやっていたのですが、やっている中で
「あれ?これなんか前もこんな展開あったような気が…。この後ヤバいかもしれないから早めに逃げとこ」
とか
「なんかしっくりこない相場だなー今日はやめとこ」
みたいな感じで、利益が積み重なるというより、無駄な損失が段々と減ることによって結果としてちょこっと利益が残る、みたいなことが増えてきました。
自分としては、過去検証のやり方を変えたことがきっかけになっているのかなと感じています。
そんなわけで、皆さんもせっかく過去検証をやるんだったら、目的を持って楽しくやりましょう!
レッツ検証!!