「FXの勝率は高い方がいいのか問題」に答えを出してみる
今回はFXでの「勝率」の考え方について書いてみたいと思います。
勝率というのは
「総トレード回数に対して、勝てたトレードの割合」
ってことですね。
計算式としては(勝ったトレード÷総トレード×100)ということになります。
例えば32回トレードして、うち24回勝ったのであれば
24÷32×100=勝率75%
ということになります。
多くのトレーダーにとって勝率は重要なテーマの一つです。そりゃあそうですよね。
勝率が高いに越したことはありませんし高い勝率は誰もが憧れる目標です。
誰だって負けるより勝つ方がいいに決まっています。
そしてトレードが成功すれば成功するほど自信がつくものです。でも、ここで陥りやすいのが「勝率こそが全て」という勘違いです。
あまりにも勝率にこだわりすぎるのはベリーデンジャラスです。
勝率に固執しすぎると、トレードの柔軟性が失われ、冷静な意思決定が難しくなるんです。
この記事では、高い勝率にこだわりすぎないバランスの取り方や、トータルでの利益を追求する重要性について、詳しく書いてみたいと思います!
FXでは勝率こそがすべて?
そもそもなぜFXトレードをするのか
まず考えておきたいのは、そもそも「何のためにトレードをするのか」ということです。
その目的は紛れもなく
利益をあげること
要するに儲けることです。
さらに言えば、「儲け続ける」ことです。
「よし!そのためには勝ち続けなくちゃ!目指せ勝率100%!!」
残念ながらこの考えは間違っています。というか非常に危険な考え方です。
FXの利益は長い期間のトータルで考えよう
FXをスポーツ的に考えてみる
まず、トレードは野球のペナントレースや、サッカーワールドカップのように1試合1試合の勝ち数や、勝ち点を競う競技ではありません。
たとえば野球なら、
- 1-0で勝つ
- 15-0で勝つ
どちらも同じ1勝です。
逆に、
- 1-3で負け
- 3-20で負け
でも、どちらも同じ1敗です。
でもFXではちょっと違います。
FXは「得失点差」を競うゲーム
例えば、
- 1-0で勝ち
- 2-0で勝ち
- 3-20で負け
こういう結果だったとすると、勝敗ということでみれば2勝1敗の勝ち越しです。
でも得失点差を見た場合、
得点:6
失点:-20
となり、トータルでは「-14点」になってしまいます。
トレードとはまさにこのように得失点差を競うゲームなのです。
長い目で見て「トータルプラス」を目指そう
つまり、たとえ2勝8敗や1勝9敗であったとしても、トータルの得失点差がプラスならそれはそれで全然いいということです。
もちろん勝ち越したうえで、得失点差もプラスであれば言うことはありません。
私が言いたいのは、
- 10勝0敗を目指す必要はない
- 9勝1敗でも得失点差がマイナスなら意味がない
ということです。
目先の勝ち負けにこだわってはいけないんです。
いやそもそもですよ、普通に考えたら
10勝0敗!100勝0敗!連戦連勝!
なんて、はっきりいって無理じゃないですか笑
勝つか負けるかなんて、純粋な確率は50%ずつなんですから、単発的に負けるなんてのはごくごく当たり前の話なんですよね。
なので、
「勝ったり負けたりしたけど、振り返ってみたら今月はトータルで利益が出ていた」
みたいな、こういう状態が理想なわけです。
負ける日はあるけど週間では勝っている。
負ける週はあるけど月間では勝っている。
こういう感じで、目先の勝ち負けにとらわれずに長い目で見ていくようにしましょう。
FXで高い勝率にこだわる落とし穴
勝率にこだわると損切りできなくなる
ここまでは、高い勝率はあまり意味がないということを書いてきましたが、ここからさらに進んで、高い勝率を目指す「危険性」について考えてみたいと思います。
高勝率を目指すことがなぜ危険なのか。
結論から言います。
その理由は
「損切できなくなるから」
です。もうこれはリアルガチです。
順を追って説明していきます。
FXについて、純粋に確率として考えてみたときに、勝つ確率は50%です(手数料とか、その他もろもろは考慮しないものとしますね…)。
つまりなーんも考えずに「えいやーー!」っとエントリーしたとしても1/2の確率で勝てちゃうんですね。
そしてこれが3回連続で起こったとします。3連勝です。
確率的には、1/2×1/2×1/2=12.5%ですから、まぁ別に起こってもおかしくない、あり得る話です。
こうやって、たまたまでもポンポンポンっと勝ってしまうと、人間というのは
「あれ?コツを掴んだんじゃね?」
「今まで上手くいかなかったけど、ようやく勝てるようになったかも!」
「相場がわかってきた!」
みたいに、「オレってすごい!」精神が出てきてしまうことがあるんです。
こうなると、今度は「負ける自分」というものを許せなくなります。
含み損の状態でいることを受け入れがたくなります。
結果として当初予定にはなかった無計画なナンピンをして早急に負けを免れようとします。
これが最悪のシナリオの入口です。
そしてそして、このパターンの最も恐ろしい点。
それは、
「ナンピンによって、結果として助かっちゃうことがわりとよくある」
ということです。
無計画なナンピンが爆損を招く
「助かるんだったらいいじゃん」
「ナンピンしてよかったっていうことじゃないの?」
とお思いかもしれませんが、それは違います。その考えは明確に間違っています。
大事なことなのもう1度言いますよ。
「ち・が・い・ま・す」
いや確かにその時はいいんです。
その1回のトレードだけを見るのであればそれでもいいかもしれません。
でも、思い出してください。我々トレーダーの目的。
それは
「継続的に利益をあげること」
だったはずです。
だとすれば、1回のトレードが結果としてうまくいくことにあまり意味はありません。
先ほど「結果として助かっちゃうことがわりとよくある」と言いました。
しかしそれは裏を返せば「たまに助からないこともあるよ」ということです。
「いつか戻ってくるでしょ!」と軽い気持ちでナンピンナンピンを繰り返したものの、強烈なトレンドによって、全くもどってこない相場というのは往々にしてあります。
実際、僕自身何度も経験してきました・・・。
そのとき、含み損がいったいどれほど膨れ上がっているか・・・。涙涙涙
あぁ、考えるだけで恐ろしいです。思い出したくないです・・・。
お分かりいただけましたでしょうか。
目先の勝ちや、勝率にこだわりすぎると、たった1回の負けで立ち直れないほどのダメージを負ってしまいます。
負けるのは当たり前、普段からしっかり負けておこう
ここまでで、勝率にこだわりすぎるのがいかに危険か分かっていただけたと思います。
じゃあ勝率にこだわらないようにするためにはどうしたらいいか。
それは
「ちゃんと勝つために、ちゃんと負けておく」
ということです。
「勝つために負けておく」というと、何か禅問答のような感じがしてしまいますね(汗)。
すいません。
簡単に言ってしまうと、いつだってスパっと損切できるように、「損切」そのものを当たり前の行動にしてしまおうよ、ハードルを常に下げておこうよ、ということなんです。
どんなプロだって負けることはあるんです。
100%勝ち続けるなんてありえないんです。
だったら小さく負けておきましょう。
どうせ負けるなら被害は小さい方がいいんですから。
ナンピンにナンピンを繰り返し、資金が足りなくなって強制的に決済されてしまうなんてことになったら元も子もありません。
勝率なんてものは、メンタルの影響を排除して機械的なトレードをするのであればおのずと50%に収束していくものです。
そして、長いことトレードをするうちに「ちょっとしたコツのようなもの」が分かってくると、自然と55%とか60%くらいになってきます。
そのくらいで十分です。十分すぎます。
その「ちょっとしたコツのようなもの」をみなさんに紹介していくのがこのブログの意義だと考えています。
まとめると、
- FXは勝率ではなく得失点差を競うゲーム
- 目先の勝ち負けにこだわらないようにする
- 無計画なナンピンは超危険
- 負けるのは当たり前。むしろ定期的に負けた方が健全。
です。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!